■ 主な調査結果

1.海外進学実現者の87.6%に海外経験

回答者234人のうち海外経験ありは205件(87.6%)。海外経験者205人の内訳(複数回答)では、家族旅行・観光66.8%、学校主催の短期留学・研修25.9%、個人参加の語学留学24.4%など、さまざまな経験が含まれています。

2.留学を最初に意識したきっかけは「海外体験・滞在」が最多

留学を意識した最初のきっかけは「海外体験・滞在」83人(35.5%)が最多でした。続いて「仕事・専門職での必要性」34人(14.5%)、「身近な留学経験者」31人(13.2%)でした。海外体験に加え、身近な経験者との接点や教育・仕事上の環境など、多様な入口が確認されました。

3.学士と大学院では留学を意識する時期が異なる

学士課程への進学者では中学・高校段階で学位留学を意識した層が約8割。一方、大学院系では大学在学中・社会人以降が約3分の2でした。海外進学に関する情報提供や支援を、進学段階に応じて設計する必要性が示唆されます。

4.経済面と情報面の支援も重要

進学先の国・大学・経路を選ぶ際に経験した制約として、学費68.8%、生活費58.1%、為替・円安38.5%が挙げられ、「あればよかった支援」では奨学金・経済的支援が60.3%で最多でした。海外経験に注目するだけでなく、資金面・情報面の支援も並行して検討する必要があります。

■調査結果から考えられる教育・政策上の論点

今回の結果は、海外経験の機会を一律に増やすだけで学位留学者が増えることを証明するものではありません。海外経験の有無と、留学を意識し始めた時期や学位段階との間には、強い結びつきは確認されませんでした。一方、参考的な分析では、1年以上の長期高校留学経験者25人に早期の意識形成や学士課程進学との関連が比較的大きく見られました。ただし少数例であり、一般化や因果関係の判断はできません。今後は短期研修、語学留学、長期高校留学などを区別し、経験の内容とその後の進路意識の関係を継続的に検討することが重要です。

■調査概要

調査名 海外大学・大学院への学位取得留学に関する調査
実施主体 JAOS 留学総合研究所(JSARI)
対象

海外大学・大学院の学位課程に在籍中、または 2023

年以降に卒業・修了した人(準備課程・オンライン課程に関する回答も調査範囲に含む)

調査方法 Google Forms によるオンライン調査(44 問)
回答期間 2026 年 7 月 8 日~7 月 28 日
回答数 総回答 1,484 件/主分析対象 234 件

■結果の解釈にあたって

本調査は非確率標本による探索的調査であり、日本人学位留学者全体を統計的に代表するものではありません。留学を実現した人のみを対象とし、断念者・非実現者との比較群がないため、海外経験が学位留学を実現させる因果効果を示すものではありません。また、JAOS会員等の留学事業者を含む複数経路で回答を回収しており、回収経路による偏りが生じている可能性があります。小規模な集計区分の解釈にも留意が必要です。

■JAOS留学総合研究所(JSARI)について

JAOS留学総合研究所は、一般社団法人海外留学協議会(JAOS)の調査研究機関です。日本人の海外留学の実態や動向に関する調査・分析を通じて、教育関係者、留学事業者、政策担当者等に情報を提供しています。

【本件に関するお問い合わせ】

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